4.二重管ダブルパッカー工法との比較

 「二重管ダブルパッカー工法」に属する工法は、ソレタンシュ社(仏)の考案したカラー付パイプによる注入法が原形であり、わが国への技術導入および特許期限の終了とともに、これに類似した数種類の工法が開発された。
 これらの工法は現在では世界中において多く用いられ、各種の工法の中でも注入効果の確実性と適用の広さにおいて最も優れた工法といわれている。
 「二重管ダブルパッカー工法」はφ100mm 程度のケーシングにより削孔を行い、削孔完了後ケーシング内に注入用外管(スリーブ付塩ビ管)を挿入したのちケーシングを引き抜き、外管と地山の間をセメントベントナイト液で充填し、管周囲のシールを行う。
 注入は注入用外管の中にダブルパッカー付の注入管を挿入して、一般的にセメントベントナイト液を一次注入し地盤を粗詰め処理した後、緩結注入材を二次注入する。
二次注入に用いる緩結注入材は「二重管ロッド複合注入工法」で用いる緩結注入材と全く同一のものであり、浸透性、強度等においても何ら変わりはない。
 基本的に異なる点は、事前処理としてのパッカー造成手段の違いであり、「二重管ロッド複合注入工法」では1ステップ毎に瞬結注入材を事前注入して粗詰めを行うと同時にパッカーを造成するのに対して、「二重管ダブルパッカー工法」では全ステップにおいてセメントベントナイト液で事前に粗詰めを行うと同時にパッカーを造成する。
 この事前処理としてのパッカー造成が十分であるか否かによって注入効果が左右される点も両工法に共通するもので、「二重管ダブルパッカー工法」においても一次処理が十分でなければ二次注入する緩結注入材は逸脱し易く、一次処理が十分であるか否かを1ステップ毎にチェックする必要があることも「二重管ロッド複合注入工法」同様である。
 一部において「二重管ダブルパッカー工法」の方が注入充填率を大きくできるとの表現も見られるが、理論的には一次注入も二次注入も浸透機能のみで成り立つ「二重管ダブルパッカー工法」に比較して、瞬結注入材による一次注入の際に加圧脱水現象を伴う「二重管ロッド複合注入工法」の方が、むしろ注入充填率は大きくなる傾向にあるといえる。
 このようなことから、削孔精度を特に重視する必要がある場合、或いは設計当初から繰り返し注入を計画する必要がある場合を除き、通常の地盤注入において「二重管ダブルパッカー工法」の優位性はさほど無いということができる。
 費用対効果比較に及んでは「二重管ロッド複合注入工法」が有利な場合が多く、各注入ステップ毎の合理的な注入コントロールを基本とするSCR注入工法は、特に複雑な土層構成の地盤では圧倒的に有利である。

Copyright©2000 Heisei Techno's co. Sigehru Arima All Rights Reserved



お問い合わせ・ご質問は


平成テクノス株式会社
TEL 072-966-5585
FAX 072-966-5882