SCR注入工法は前述のように微細な地盤変位から割裂か浸透かを判断し、適正なゲルタイムと注入速度を各注入ステップ毎にコントロールする、従来なかった発想に基づく注入管理方式であり、その具体的対応は次のように行う。
粘性土がグラウトを受け入れる形態としては割裂以外に無く、割裂力よりも拘束力の方が大きくて地盤変位を起こさない場合は有効な割裂注入が行われていると判断し、注入速度を大きくすることによって経済性の向上を図る。
拘束力が小さく地盤変位を起こす場合は、いかなる方法を用いてもこれを留めることは不可能であり、強化目的であって強化する方法が注入以外に無い場合は、例えば仮設盛土を行う等の別途対策を必要とする。
止水目的の場合は、不透水層であるこの様な粘土層に無理に注入する必要もなく、許容変位量に達するまでに注入を中断する。
砂質土は目的が止水、強化にかかわらず土粒子構成が粘土と異なるため浸透という形でグラウトを受け入れるから、注入コントロール次第で地盤変位が生じないようにして十分浸透改良が可能である。
拘束力が割裂力よりも大きく地盤変位が生じない場合は、割裂浸透を主体とした瞬結グラウトでゲル待ちをインターバルに行いつつ経済的な注入速度で施工する。
ただし、瞬結グラウトをインターバル注入して地盤変位が生じない場合でも、必ず緩結グラウトを複合して用いることによって割裂浸透の改良ムラを埋め尽くす手法を採る。
緩結グラウトは注入速度を大きくすると逸脱しやすいから、経済性より効果を重視して初期設定における注入速度は瞬結グラウトのそれより低く設定する。
砂質土特有の内部摩擦が拘束力を大きくする要因として働くことも手伝い、同じ土被り条件でも粘性土と比較すると地盤変位は生じにくい傾向にあるが、透水性が小さい場合で地盤変位を起こす場合は、拘束力が割裂力に負けているのであるから、割裂力を下げるためにバランスするまで注入速度を低下させていく。
地盤変位をバロメーターとして、瞬結グラウトと緩結グラウトの使用比率と、注入速度を各注入ステップ毎に緻密にコントロールするによって、相反する面をもった注入効果と経済性を両立させることが可能になる。
以上がSCR注入コントロールの基本的な考え方で、そのプログラムの一例を施工フローチャートに示す
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